人気シリーズ「乙女の本棚」第45弾は、文豪・森鷗外×イラストレーター・今井キラのコラボレーション!
小説としても画集としても楽しめる、魅惑の1冊。全イラスト描き下ろし。


「わたくしの杯は大きくはございません。それでもわたくしはわたくしの杯で戴きます」

夏の朝、温泉宿から泉に向かう七人の少女たち。そこで、彼女たちとは様子の異なる第八の少女と出会う。
森鷗外の名作が、乙女心をくすぐる作品で知られ、本シリーズでは太宰治『待つ』、『女生徒』を担当するイラストレーター・今井キラによって描かれる。名作文学と現代の美麗なイラストが融合した、珠玉のコラボレーション・シリーズ。。
自分の本棚に飾っておきたい。大切なあの人にプレゼントしたい。そんな気持ちになる「乙女の本棚」シリーズの1冊。

著者:森 鷗外

文久2年(1862年)島根県生まれ。小説家。東京大学医学部卒業後、陸軍軍医となり、留学生としてドイツに4年間滞在した。帰国後『舞姫』などを発表し、小説家としても活動をはじめる。またゲーテ『ファウスト』などの翻訳も行った。大正11年(1922年)没。代表作に『ヰタ・セクスアリス』、『雁』、『山椒大夫』などがある。長女の森茉莉も、小説家・エッセイストとして活動した。

イラスト:今井キラ

兵庫県生まれ。ファッションブランドAngelic Prettyや雑誌、小説の装丁画などに作品を提供。作品集として『待つ』、『女生徒』(どちらも太宰治+今井キラ)、『月行少女』、『少女の国』、『ひと匙姫』がある。他の追随を許さない独自の空気感で、世界中のロリータ少女たちから支持され続けている。

今井キラさんからのコメント
前回担当させていただいた「待つ」に続き、今回はより短いお話ということもあり絵に余白を作ることを意識しながら制作しました。
初めてこの小説を読んだ時、杯は私がよく描いているロリータファッションの世界と重なって見えたのですが、書き上げた時には、絵を描く自分自身と重なって見えました。杯は読む人ごとに形を変えて誰の心にも響くのだと思います。

イラストメイキング


その1

工程1

全体的に初夏の川辺を連想する水色や緑色のページが多いのですが、ここはあえて少女たちが映える様に桃色の背景にして表紙の候補の1枚になる様に意識して制作しました。

工程2

完成

その2

工程1

ここまでのイラストの流れとは切り替えて、違和感を出したいという思いもあり、少女を象徴するモチーフを組み合わせて装飾的なイラストにしました。

工程2

完成

乙女の本棚シリーズ


待つ
太宰 治 + 今井 キラ

女生徒
太宰治 + 今井キラ

木精
森鷗外 + いとうあつき

高瀬舟
森 鷗外 + げみ

舞踏会
芥川 龍之介 + Sakizo

文字禍
中島敦 + しきみ

目羅博士の不思議な犯罪
江戸川乱歩 + まくらくらま

悪霊物語
江戸川乱歩 + 粟木こぼね

縊死体 乙女の本棚作品集
夢野久作、泉鏡花、江戸川乱歩、イェイツ、芥川龍之介 + ホノジロトヲジ

藪の中
芥川 龍之介 + おく

人魚の嘆き
谷崎 潤一郎 + ねこ助

猿ヶ島
太宰 治 + すり餌

二人の稚児
谷崎 潤一郎 + 夜汽車

恋愛論
坂口 安吾 + しきみ

黒猫
エドガー・アラン・ポー + まくらくらま

駈込み訴え
太宰 治 + ホノジロトヲジ

ルルとミミ
夢野久作 + ねこ助

夜叉ヶ池
泉 鏡花 + しきみ

人でなしの恋
江戸川 乱歩 + 夜汽車

詩集『山羊の歌』より
中原 中也 + まくらくらま

悪魔 乙女の本棚作品集
芥川 龍之介、萩原 朔太郎、江戸川 乱歩、夏目 漱石、坂口 安吾、谷崎 潤一郎 + しきみ


堀辰雄 + ねこ助

春の心臓
イェイツ、芥川龍之介 + ホノジロトヲジ

詩集『青猫』より
萩原朔太郎 + しきみ

Kの昇天
梶井 基次郎 + しらこ

詩集『抒情小曲集』より
室生犀星 + げみ

刺青
谷崎潤一郎 + 夜汽車

魚服記
太宰治 + ねこ助

春は馬車に乗って
横光利一 + いとうあつき

人間椅子
江戸川乱歩 + ホノジロトヲジ

魔術師
谷崎潤一郎 + しきみ

秘密
谷崎 潤一郎 + マツオ ヒロミ

山月記
中島敦 + ねこ助

死後の恋
夢野久作 + ホノジロトヲジ

桜の森の満開の下
坂口安吾 + しきみ

夜長姫と耳男
坂口安吾 + 夜汽車

月夜とめがね
小川未明 + げみ

赤とんぼ
新美南吉 + ねこ助

外科室
泉鏡花 + ホノジロトヲジ

夢十夜
夏目漱石 + しきみ

蜜柑
芥川龍之介 + げみ

瓶詰地獄
夢野久作 + ホノジロトヲジ

押絵と旅する男
江戸川乱歩 + しきみ

檸檬
梶井基次郎 + げみ

葉桜と魔笛
太宰治 + 紗久楽さわ

猫町
萩原朔太郎 + しきみ