好きなものは呪うか殺すか争うかしなければならないのよ。
師匠の推薦で、夜長姫のために仏像を彫ることになった耳男。故郷を離れ姫の住む村へ向かった彼を待っていたのは、残酷で妖しい日々だった。
ノスタルジーを感じさせる美しい作品で大きな話題を呼んでいるイラストレーター・夜汽車が坂口安吾を描く、珠玉のコラボレーション・シリーズです。
自分の本棚に飾っておきたい。大切なあの人にプレゼントしたい。そんな気持ちになる「乙女の本棚」シリーズの1冊。
工程1
空の色を濃い青にするのか、淡い青にするのか迷いましたが、印象的なラストまで淡い色の絵を繋げようと思いました。着物には骸骨などのモチーフも取り入れました。
工程2
耳男と夜長姫の着物を描きました。この時点では人物も大きめで色調整もしていない状態です。
工程3
最後の色調整はアンティークの着物を意識したような色合いにしました。人間世界ではないというのをモチーフの中に込めました。
工程1
夜長姫の登場のシーンは印象的なものにしようと思いました。黄金の露を流す仏と夜長姫の不穏な着物で妖しい物語のはじまりを予感していただければという思いで描きました。
夜汽車さんからのコメント
『夜長姫と耳男』は昔読んで以来ずっと好きな作品で、作品に出会う前と後では絵の取り組みが変わったように感じています。乙女の本棚で描かせていただけるのは大変光栄でした。夜長姫の着物はとらえどころのないようにすべて違うものにしました。模様の変化も楽しんでいただければ幸いです。