「おめえ、なにしに生きでるば」
地図にも載っていないような山のふもとの村で、炭焼きの娘・スワは、父親と2人で暮らしていた。
太宰治の『魚服記』が、書籍の装画、ゲーム、CDジャケットなどで美麗な人や獣を描き、本シリーズでは中島敦『山月記』と新美南吉『赤とんぼ』を担当する大人気イラストレーター・ねこ助によって、鮮やかに描かれる。
名作文学と現代の美麗なイラストが融合した、珠玉のコラボレーション・シリーズ。
自分の本棚に飾っておきたい。大切なあの人にプレゼントしたい。そんな気持ちになる「乙女の本棚」シリーズの1冊。
工程1
工程2
主人公のスワを描きました。
縁起の良いモチーフを入れながら、敢えて不穏な空気感を表現したいと思い、
ハナミズキ、藤の花と翡翠、昼間の月に波模様、そこにじわりと広がる血のイメージを足しました。
月に波模様を描いたら蜂の巣のようになり気に入っています。よく見えませんがクマバチも描きました。
スワの表情はなんでもないような、ふと視線を向けただけのような、大げさにならない表情を意識しました。
工程1
工程2
スワの見た学生を描きました。最初は構図が逆さまでした。
人物を黒い水面に溶かすイメージで、水底へ沈む学生のシーンを描きました。
ねこ助さんからのコメント
全体的にじめっと水分を含んだようなイラストにしたいというのがありました。心を抉られるような部分もありますが、静かなおとぎ話です。ぜひ美しい文章に浸っていただきたいです。