春の心臓


人気シリーズ「乙女の本棚」第25弾は、若き日の芥川龍之介が翻訳したアイルランドの文豪・イェイツ×イラストレーター・ホノジロトヲジのコラボレーション!
小説としても画集としても楽しめる、魅惑の1冊。全イラスト描き下ろし。

少年は薔薇と百合とを両腕に抱えきれぬほど集めた。

アイルランドの湖のほとりで、老人と少年は今まさに秘密の儀式を執り行おうとしていた。

若き日の芥川龍之介が翻訳したイェイツの『春の心臓』が、有名ゲームのキャラクターデザインなどで知られ、本シリーズでは江戸川乱歩『人間椅子』、夢野久作『死後の恋』、『瓶詰地獄』、泉鏡花『外科室』を担当する大人気イラストレーター・ホノジロトヲジによって描かれる。
名作文学と現代の美麗なイラストが融合した、珠玉のコラボレーション・シリーズ。
自分の本棚に飾っておきたい。大切なあの人にプレゼントしたい。そんな気持ちになる「乙女の本棚」シリーズの1冊。

著者:ウィリアム・バトラー・イェイツ

1865年アイルランド、ダブリン生まれ。オカルティズムへの傾倒や、アイルランド文芸復興運動の推進、日本の能に影響を受けた作品などで知られる。1923年にノーベル文学賞を受賞。そのメダルはスライゴーにある記念館に展示されている。代表作に『キャスリーン・ニ・フーリハン』、『ケルトの薄明』、『塔』、『螺旋階段』、『鷹の井戸』などがある。

著者:芥川龍之介

明治25年(1892年)生まれ。東大英文科卒。大学在学中に菊池寛らと第三次「新思潮」を創刊、第四次「新思潮」に「鼻」を発表し夏目漱石にその才能を認められる。代表作に「羅生門」、「蜘蛛の糸」など。死後、菊池寛により芥川賞が設けられた。「乙女の本棚」シリーズでは本作のほかに、『蜜柑』(芥川龍之介+げみ)がある。

イラスト:ホノジロトヲジ

2015年よりフリーのイラストレーターとして活動中。キャラクターデザイン、イラストなどを手がけている。著書に、『人間椅子』(江戸川乱歩+ホノジロトヲジ)、『死後の恋』(夢野久作+ホノジロトヲジ)、『外科室』(泉鏡花+ホノジロトヲジ)、『瓶詰地獄』(夢野久作+ホノジロトヲジ)、『シキノメモリエ』、『しろしろじろ』がある。

ホノジロトヲジさんからのコメント
著者と訳者という、使用言語の違う人間が二人関わっている作品だったので、
舞台となる土地の緑で満ちた空気や原文から掬い出された言葉の雰囲気を違和なく混ぜられるよう気をつけました。

イラストメイキング


その1

工程1

工程2

御師匠様に仕える少年の様子を表現したカットです。せわしない印象にはしないよう、アニメーションのような流れを作りました。

その2

工程1

工程2

全編を通して死の際の静謐な空気を表現した言葉が多い中、このシーンは様々な命のありように対する恐怖でいっぱいでした。
感情の揺れ動きや命を光に置き換えて明るい画面を作りました。

乙女の本棚シリーズ


駈込み訴え
太宰 治 + ホノジロトヲジ

人間椅子
江戸川乱歩 + ホノジロトヲジ

死後の恋
夢野久作 + ホノジロトヲジ

外科室
泉鏡花 + ホノジロトヲジ

瓶詰地獄
夢野久作 + ホノジロトヲジ

人魚の嘆き
谷崎 潤一郎 + ねこ助

猿ヶ島
太宰 治 + すり餌

二人の稚児
谷崎 潤一郎 + 夜汽車

恋愛論
坂口 安吾 + しきみ

黒猫
エドガー・アラン・ポー + まくらくらま

木精
森鷗外 + いとうあつき

ルルとミミ
夢野久作 + ねこ助

高瀬舟
森 鷗外 + げみ

待つ
太宰 治 + 今井 キラ

夜叉ヶ池
泉 鏡花 + しきみ

人でなしの恋
江戸川 乱歩 + 夜汽車

詩集『山羊の歌』より
中原 中也 + まくらくらま

悪魔 乙女の本棚作品集
芥川 龍之介、萩原 朔太郎、江戸川 乱歩、夏目 漱石、坂口 安吾、谷崎 潤一郎 + しきみ


堀辰雄 + ねこ助

詩集『青猫』より
萩原朔太郎 + しきみ

Kの昇天
梶井 基次郎 + しらこ

詩集『抒情小曲集』より
室生犀星 + げみ

刺青
谷崎潤一郎 + 夜汽車

魚服記
太宰治 + ねこ助

春は馬車に乗って
横光利一 + いとうあつき

魔術師
谷崎潤一郎 + しきみ

秘密
谷崎 潤一郎 + マツオ ヒロミ

山月記
中島敦 + ねこ助

桜の森の満開の下
坂口安吾 + しきみ

夜長姫と耳男
坂口安吾 + 夜汽車

月夜とめがね
小川未明 + げみ

赤とんぼ
新美南吉 + ねこ助

夢十夜
夏目漱石 + しきみ

蜜柑
芥川龍之介 + げみ

押絵と旅する男
江戸川乱歩 + しきみ

檸檬
梶井基次郎 + げみ

葉桜と魔笛
太宰治 + 紗久楽さわ

猫町
萩原朔太郎 + しきみ

女生徒
太宰治 + 今井キラ