魚服記


人気シリーズ「乙女の本棚」第20弾は太宰治×イラストレーター・ねこ助のコラボレーション!
小説としても画集としても楽しめる、魅惑の1冊。全イラスト描き下ろし。

「おめえ、なにしに生きでるば」

地図にも載っていないような山のふもとの村で、炭焼きの娘・スワは、父親と2人で暮らしていた。

太宰治の『魚服記』が、書籍の装画、ゲーム、CDジャケットなどで美麗な人や獣を描き、本シリーズでは中島敦『山月記』と新美南吉『赤とんぼ』を担当する大人気イラストレーター・ねこ助によって、鮮やかに描かれる。
名作文学と現代の美麗なイラストが融合した、珠玉のコラボレーション・シリーズ。
自分の本棚に飾っておきたい。大切なあの人にプレゼントしたい。そんな気持ちになる「乙女の本棚」シリーズの1冊。

著者:太宰治

明治42年(1909年)青森県生まれ。小説家。1935年、「逆行」が第1回芥川賞の次席となり、翌年、第一創作集『晩年』を刊行。『斜陽』などで流行作家となるが、『人間失格』を残し玉川上水で入水自殺した。

イラスト:ねこ助

鳥取県出身のイラストレーター。書籍の装画、ゲーム、CDジャケットなどのイラストを手がける。著書に『ルルとミミ』(夢野久作+ねこ助)、『鼠』(堀辰雄+ねこ助)、『魚服記』(太宰治+ねこ助)、『山月記』(中島敦+ねこ助)、『赤とんぼ』(新美南吉+ねこ助)、『Soirée ねこ助作品集 ソワレ』がある。

ねこ助さんからのコメント
全体的にじめっと水分を含んだようなイラストにしたいというのがありました。
心を抉られるような部分もありますが、静かなおとぎ話です。ぜひ美しい文章に浸っていただきたいです。

イラストメイキング


その1

工程1

工程2

主人公のスワを描きました。
縁起の良いモチーフを入れながら、敢えて不穏な空気感を表現したいと思い、 ハナミズキ、藤の花と翡翠、昼間の月に波模様、そこにじわりと広がる血のイメージを足しました。
月に波模様を描いたら蜂の巣のようになり気に入っています。よく見えませんがクマバチも描きました。
スワの表情はなんでもないような、ふと視線を向けただけのような、大げさにならない表情を意識しました。

その2

工程1

工程2

スワの見た学生を描きました。最初は構図が逆さまでした。
人物を黒い水面に溶かすイメージで、水底へ沈む学生のシーンを描きました。

乙女の本棚シリーズ


人魚の嘆き
谷崎 潤一郎 + ねこ助

ルルとミミ
夢野久作 + ねこ助


堀辰雄 + ねこ助

山月記
中島敦 + ねこ助

赤とんぼ
新美南吉 + ねこ助

猿ヶ島
太宰 治 + すり餌

駈込み訴え
太宰 治 + ホノジロトヲジ

待つ
太宰 治 + 今井 キラ

葉桜と魔笛
太宰治 + 紗久楽さわ

女生徒
太宰治 + 今井キラ

二人の稚児
谷崎 潤一郎 + 夜汽車

恋愛論
坂口 安吾 + しきみ

黒猫
エドガー・アラン・ポー + まくらくらま

木精
森鷗外 + いとうあつき

高瀬舟
森 鷗外 + げみ

夜叉ヶ池
泉 鏡花 + しきみ

人でなしの恋
江戸川 乱歩 + 夜汽車

詩集『山羊の歌』より
中原 中也 + まくらくらま

悪魔 乙女の本棚作品集
芥川 龍之介、萩原 朔太郎、江戸川 乱歩、夏目 漱石、坂口 安吾、谷崎 潤一郎 + しきみ

春の心臓
イェイツ、芥川龍之介 + ホノジロトヲジ

詩集『青猫』より
萩原朔太郎 + しきみ

Kの昇天
梶井 基次郎 + しらこ

詩集『抒情小曲集』より
室生犀星 + げみ

刺青
谷崎潤一郎 + 夜汽車

春は馬車に乗って
横光利一 + いとうあつき

人間椅子
江戸川乱歩 + ホノジロトヲジ

魔術師
谷崎潤一郎 + しきみ

秘密
谷崎 潤一郎 + マツオ ヒロミ

死後の恋
夢野久作 + ホノジロトヲジ

桜の森の満開の下
坂口安吾 + しきみ

夜長姫と耳男
坂口安吾 + 夜汽車

月夜とめがね
小川未明 + げみ

外科室
泉鏡花 + ホノジロトヲジ

夢十夜
夏目漱石 + しきみ

蜜柑
芥川龍之介 + げみ

瓶詰地獄
夢野久作 + ホノジロトヲジ

押絵と旅する男
江戸川乱歩 + しきみ

檸檬
梶井基次郎 + げみ

猫町
萩原朔太郎 + しきみ