立東舎
怪談生活
江戸から現代まで、日常に潜む暗い影
いつだって、怪談はあなたのそばにある。
『ゴシックハート』『不機嫌な姫とブルックナー団』の著者による、江戸時代から現代までの怪談・奇談集。
怪談は、夜の学校や墓地だけのものじゃない。夕食時や散歩道、そういう何気ない瞬間、私たちが生活している空間すべてに潜んでいる——。
見えない「何か」が近くにいる感覚。その土地に伝わる奇妙な伝承。様々な伝説が残る石。至る所にあらわれる火の玉。美少年好きの天狗。果てはろくろ首の種類別考察まで。
古今東西あらゆるところで伝わる怪談を、高原英理ならではの視点でまとめあげた、怪談随筆の新定番。
【目次】
記憶異変
01 ゐる話
02 逃げるか行くか行くまいか
03 変化数々
04 蛇の道
05 さまようこと、石のこと
06 玉のこと、火のこと
07 いるのか、いないのか
08 身体異変あちらこちら
09 少しだけ古めいた話
10 怪談の時間
江戸怪談実話の迷い道
01 実話にありては作為推測を排すべし
02 現代にあるゆえ見出すべき興あり
03 過去の文脈を知るやよし、知らぬもまたよし
04 衆道に執念ありて異物にも遭う
05 心あり、心読む者あり、心なきあり、心いたわる者あり
06 道の辺に見出したるもの
07 北越に怪物あるの記
08 諸国異世界に転がるの記あり
09 降るもの喰うものの記
10 囃と鬼と、村の衆困惑す
11 伝説に耳傾けるいとなみあり
12 髪の導く先にいわくあり
13 天狗らの消息あらば、生まれ変わりの消息もあり
14 人はいずれを恐るるか
15 夢に見、うつつに現るること
16 恨みある腫れ物の記
17 恨みによらざる腫れ物の記
18 求められ、しかして応えよ
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著者プロフィール
高原英理
1959年、三重県生まれ。小説家、文芸評論家。立教大学文学部卒業。東京工業大学大学院博士課程修了(価値システム専攻)。1985年、小説「少女のための鏖殺作法」で幻想文学新人賞受賞(選考委員は澁澤龍彦・中井英夫)。1996年、三島由紀夫と江戸川乱歩を論じた評論「語りの事故現場」で群像新人賞評論部門優秀作を受賞。著書に『ゴシックハート』(立東舎)、『不機嫌な姫とブルックナー団』(講談社)、『うさと私』(書肆侃侃房)、『ゴシックスピリット』(朝日新聞社)、『抒情的恐怖群』(毎日新聞社)、編著に『リテラリーゴシック・イン・ジャパン——文学的ゴシック作品選』(ちくま文庫)など。
- 著者
- 高原 英理
- 定価
- 1,980円(本体1,800円+税10%)
- 仕様
- 四六判/304ページ
- 発売日
- ISBN
- 9784845629954