立東舎

町中華とはなんだ

昭和の味を食べに行こう

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なにげなく通っていた町の中華食堂。もしかして、最近数が減っている? 昭和の古きよき食文化を記録するため、男たちが立ち上がった!

『裁判長!ここは懲役4年でどうすか』の北尾トロを中心に結成された「町中華探検隊」。彼らの使命は、高齢化の荒波にさらされて滅亡の危機にある個人経営の大衆的中華料理店の研究・記録だ。半チャンラーメン発祥の店に行ってみたり、早稲田・神保町など中華料理店密集地帯でハシゴしてみたり、化学調味料に思いを馳せてみたり。登場する店も超個性的。夫婦で出前をする店、チャンポンを食べたことがないのに作る店、未亡人が経営する店……。大量の中華料理の向こう側に見えてきたのは、戦後日本の食文化の歴史だった——。人気ライターたちによる、異色の食べ歩きエッセイ。
カバーイラストは、『東京都北区赤羽』でおなじみの清野とおるが担当。

※町中華とは?
昭和以前から営業し、気楽に入れて1000円以内で満腹になれる庶民的な中華店。単品料理主体や、ラーメンなどに特化した専門店と異なり、麺類、飯類、定食など多彩な味を提供する。カレーやカツ丼、オムライスを備える店も。大規模チェーン店と違ってマニュアルは存在せず、店主の人柄や味の傾向もはっきりあらわれる。(本文より)

【CONTENTS】
■プロローグ/下関マグロ

■1 われら町中華探検隊
◎今はなき『大陸』跡地で感じた異変/北尾トロ
◎そして、『来々軒』は店を閉めてしまった/下関マグロ
◎誰かが記録しなければ忘れ去られる味と店/北尾トロ
◎探検隊活動に付き合い出して/下関マグロ
◎ボクと町中華探検隊/竜超

■町中華用語集1

■2 飛び出せ! 町中華探検隊
◎無視できる店など一軒もない/北尾トロ
◎町中華だよ人生は/下関マグロ
◎ボクの意外な弱点/竜超
◎底なしの強さとセットメニュー考/北尾トロ
◎熱烈町中華、暑い夏にご用心!/下関マグロ
◎ボクの新パートナー/竜超

■町中華用語集2

■3 これが町中華だ
◎ボクが行きついた結論/竜超
◎業平橋御三家と動線問題/北尾トロ
◎いっぽんどっこの町中華/下関マグロ
◎ボクの町中華探検作法/竜超
◎出前が支えたサラリーマンの胃袋/北尾トロ
◎町中華ブルース/下関マグロ

■町中華用語集3

■4 炎の町中華
◎センチメンタルな町中華/下関マグロ
◎ボクの町中華哲学/竜超
◎化調風月/北尾トロ
◎町中華ズンドコ節/下関マグロ
◎ボクとステキなひどい店/竜超
◎町中華の残り時間/北尾トロ

■町中華用語集4

■5 鼎談 改めて、町中華ってなんだろう

■エピローグ/北尾トロ

著者 プロフィール

町中華探検隊(まちちゅうかたんけんたい)

超高齢化の荒波にさらされて滅亡の危機にある町中華(個人経営の大衆的中華料理店)の研究・記録を行なうグループ。これまでのメンバーは隊長・北尾トロ周辺の出版業界人が多かったが、本書刊行を機に全国津々浦々の同志が名乗りを上げてくれることに期待している。最終目標は「1億総町中華探検隊」である。

北尾 トロ(きたお とろ)

1958年、福岡県生まれ。ライター。本やマニア、裁判傍聴、狩猟など、好奇心のおもむくまま、さまざまな分野で執筆。町中華探検隊では隊長を務めるものの、好きな割に食べっぷりは力弱く、隊員の助けを借りて完食にこぎつけている。『裁判長!ここは懲役4年でどうすか』(文春文庫)『沈黙のオヤヂ食堂』(KADOKAWA)など著書多数。

下関 マグロ(しものせき まぐろ)

1958年、山口県生まれ。街歩きをしながら、ネタを探して原稿を書いている。町中華探検隊では二号。店舗ファサード、店の歴史などに興味あり。主な著書は『歩考力』(ナショナル出版)。「メシ通」にて『美人ママさんハシゴ酒』を連載中!

竜 超(りゅう すすむ)

1964年、静岡県生まれ。1994年よりゲイマガジン各誌に小説を発表。2003年より『月刊Badi』(テラ出版)にてコラムを連載。第二期『薔薇族』スーパーバイザー、第四期『薔薇族』副編集長を経て、2011年7月に二代目編集長を襲名し、第五期『薔薇族』をスタート。著書に『消える「新宿二丁目」――異端文化の花園の命脈を断つのは誰だ?』、『虹色の貧困――L・G・B・Tサバイバル! レインボーカラーでは塗りつぶせない「飢え」と「渇き」』(共に彩流社)がある。

[書評]

◆読売新聞(2016/9/25発売)

毎日サンデー(武田 砂鉄・評)

book@holic(杉江松恋・評)

ダ・ヴィンチ

著者
町中華探検隊(北尾トロ、下関マグロ、竜超)
定価
1,650円(本体1,500円+税10%)
仕様
224ページ
発売日
ISBN
9784845628230

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